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 神谷氏と共にブルーヘルメットを結成。当初、モーターサイクルを通じての研究、自己啓発が目的であったが、最終的には耐久への出場を果たす。現在は大宮と東浦和にインターテックというバイク店を経営している

BIG BIKE Cruisin HONDA50th ANNIVERSARY No.39に掲載
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 昭和35年1月「(株)本田技研研究所勤務を命ずる」の転勤辞令を胸に埼玉県大和田(現在の和光市)に赴任した時のことを今でも鮮明に覚えている。社屋は木造平屋建て、本田技研工業から分離独立したばかりの本田技研工業から分離独立したばかりの本田技術研究所は創世450名程で、町工場そのものであった。しかし、中に中に入ってみるとそこで旗らいている人々の熱気に圧倒される思いがした。レーサーの4気筒DOHCエンジンが咆哮し、スーパーカブの大ヒットで活気溢れるなか、スポーツカブの完成車テストが、私が担当した最初の仕事だった。
今年ホンダは創立50周年とのこと、誠のおめでとうございます。色々なイベントを計画実行されているようですが、現在ではホンダの外側にいる私も心からお喜び申し上げます。50年の歳月で世界企業にまで発展した偉業は4世代に渡る社長のリーダーシップと、その人間性によるものと改めて感謝いたします。新社長の吉野様も研究勤務時代にわずかな機械ではありましたが、その素晴らしい人柄に触れ、感銘を受けた記憶があります。経営者としての卓越した資質と洞察力を兼ね備えた人にホンダらしいバトンタッチ。かつてホンダに身を置いた者として本当に誇りに思います。私などの立場でこの優れた人たちを評価するような言及をお許しいただきたい。
ホンダ創立50周年に「何かホンダのOBとして書いて欲しい」との依頼があり、色々と思い悩んだが、やはりホンダには過去の話より未来の話が似合う。浜松工場に入社以来37年間ホンダで縁を食み、人生の大半をホンダによって支えられていたその間、私が残した実績よりもいかに多くのものを与えてもらったか計りしれない。早い時期にホンダを退いたが、その後も好きなバイクとの関わりを持つ仕事ができ第2の人生を頑張っている。
’60年代はアメリカ2輪GPレース全盛時代、F1の初優勝。’70年代はアメリカ2輪市場黄金時代。そしてアメリカ研究所設立、駐在員としての現地でのバイク生活体験。ホンダとして初の2サイクルオフロードの開発、4サイクル車XL/XRシリーズの現地での企画、開発。CBX1000、6気筒の開発、GL1000でのアメリカ大陸横断テストによるツーリングバイクとしての性格付け。体験に基づいた各部仕様の提案。スーパクロスシリーズのAMAとホンダの橋渡し、その後このシリーズが観客動員数でメジャースポーツとして格付けされたのは’70年代後半であった。また、今は亡きスティーブ・マックイーンとの出会い。彼が日本のCFに出演したのは、後にも先にもこのホンダエルシノアだけである。アメリカ本土では見ることはなかったCFだ。ハリウッドでの彼の格付けがトップクラスでギャラの問題や、CF嫌いで実現が不可能と思われたがバイク好きの彼は、破格の安いギャラでモハビ砂漠を吹き替えなしで華麗なライディングを見せてくれた。
’80年代アメリカから帰国すると、NRプロジェクトが本格的に稼働していた。ホンダグループ内に複数あったレース組織の一本化というプロジェクトが発生しCI(コーポレートアイデンティティ)作戦の推進、こうして書き連ねると功績を吹聴することになってしまうが、実際にはとてもこの紙面では書くことができないような失敗や挫折を多く重ね、多くの人々に支えられた。自分が関わった多くのプロジェクトも自分自身が成し得た車はごくわずかであったと思う。これらのことが可能な組織と企業風土、そして懐の深い上司によって達成できたことであった。言ってみればホンダという大きな手のひらの上で飛び回った孫悟空である。しかし自分自身にとっては大変な経験であり、今日小さいながらも企業経営できる自分を創ってくれたと思う。
ホンダの2輪販売経営者として現在ホンダと関わりながらすでに10年間。苦しい場面も多かったが、総売上で15億以上となった。その売り上げが研究開発やレース活動に活かされていると思うと、自分に恩恵を与えてくれた企業に対するわずかばかりの返礼であると思える。われわれが当時の指導者に言われたことに「企業30年限界説」があった。どの会社も30年も立つと組織も設備も老化し、ボロボロになり衰退するという教訓である。ホンダも50年幾多の試練を乗り越えてきた。今後も世界中何百万、何千人のホンダに関わって生活している人々に夢と希望を与え続けてください。驕るなかれ、世界企業ホンダ。

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